いまやYouTubeをマーケティングに活用することは当たり前になりました。しかし、利用者が多いからこそ参入するハードルは高まっています。
本記事では、YouTube集客のメリットやデメリット、集客を成功に導くコツ、成功事例などを紹介します。YouTubeを活用した集客に取り組もうと思っている方からは、次のような声が多く聞かれます。
- YouTubeで集客するためには何をすればいい?
- YouTube集客を成功させるコツが知りたい
- ほかの企業はYouTube集客をどうやって成功させている?
このようなお悩みを解決する方法をわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
YouTubeで集客することができる?
集客を目的としてYouTube動画を投稿したり、YouTube広告を出稿したりすることをYouTube集客といいます。
YouTubeは国内外で幅広い世代が利用している動画プラットフォームであり、総務省が13歳から69歳までの男女を対象に実施した「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、87.8%の人がYouTubeを利用していると回答しています。
利用者の増加にともなってYouTubeに参入する企業や団体も増えたため、「YouTubeで集客するハードルは高い」と考える方もいるかもしれません。
しかし、「マーケティング」といった、いわゆるビッグワードを狙うのは難しくても、「マーケティング 代行」などといったロングテールキーワードを狙ったり、質の高い動画を投稿したりすれば、十分に集客できる可能性はあります。
実力や工夫次第で、まだまだ参入の余地はあるといえるでしょう。
YouTube集客のメリットとデメリット
YouTubeはInstagramなどのSNSとは違い、長尺の動画を投稿できるのが大きな魅力です。しかし、YouTubeの動画を投稿しても必ずしも集客の効果が出るとは限りません。
YouTubeを活用した集客を検討しているなら、まずはYouTube集客のメリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。
YouTube集客のメリット
YouTube集客のメリットは、おもに次の3つです。
- 視覚的に情報を伝えられる
- 親近感を持ってもらいやすい
- 検索結果で上位表示される可能性もある
自社ホームページの会社概要文やECサイトの商品画像だけでは、ターゲットに伝えたいことが十分に伝わらないこともあります。しかし、動画は1分間でWebページ約3,600ページ分の情報を伝えることができるともいわれています。
そのため、YouTube動画は、企業や商品、サービスの魅力をより多く届けられるというメリットがあります。「知ってもらう」ことで親近感を覚えたユーザーがファンになってくれたり、商品やサービスを購入してくれたりする可能性も高まるでしょう。
また、GoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索したときに、検索エンジンが「より関連性が高い」と判断すれば、Webページではなく、YouTube動画が上位表示されることも少なくありません。
YouTubeという媒体だけでなく、検索エンジンからの流入も見込めるのです。
YouTube集客のデメリット
YouTube集客のデメリットは、おもに次の3つです。
- すぐに効果が出るわけではない
- 動画撮影や編集の技術が必要になる
- 炎上リスクがある
たとえば、YouTubeチャンネルの登録者数1,000人を目指すためには、3ヶ月〜1年ほどの期間が必要といわれています。短期間でYouTube集客を成功させるのは、決して簡単ではないでしょう。
しかし、YouTubeは検索エンジンやSNSからの流入が見込めるため、SEO対策を強化したり、SNSアカウントを運用したりすることで、短期間で集客することも可能です。
集客を成功させるためには、定期的に質の高い動画を投稿する必要があります。
企画や動画撮影、編集ができる、クリエイティブなスキルや人材が必要となるでしょう。また、これはSNS全般にいえることですが、動画の内容や発言によって、炎上するリスクもあります。
動画の企画段階からしっかり協議しながら動画を制作することで、炎上リスクを減らしていきましょう。
YouTube集客を成功に導くコツ
いくら質の高い動画を作成しても、見てもらえなければ集客できません。仮にたくさんの人に見てもらっても、「集客」ができなければ意味がありません。
YouTubeを活用して集客を成功させるためにも、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
集客を成功に導くコツについて、詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ターゲットを明確にする
YouTubeで集客をするときは、ターゲットを明確にし、ニーズのあるコンテンツを提供することが重要です。
自社の商品やサービスを紹介する動画も必要ですが、まずは1人でも多くのターゲットが動画や自社チャンネルのホームを訪問したくなるような、入り口を作らなければいけません。
そのためには、ターゲットを明確にすることが大切です。たとえば、「30代男性」といった抽象度の高いターゲットではなく、「IT関係の企業に勤務する30代の男性で、ガジェット好き」など、実際に存在する1人の人物をターゲットとすることで、「どんな企画で動画を制作するべきか」「どんな編集、サムネイルが好まれるか」がわかりやすくなります。
誘導するための導線を作る
YouTube集客における「集客」とは、チャンネルの登録者数や動画の視聴回数を増やすことではありません。動画を視聴したターゲットにどんなアクションをしてほしいのかを明確にし、誘導するための導線を作るのが重要です。
たとえば、YouTube集客の導線は次のように作成します。
- 概要欄に自社ホームページのURLを貼って誘導する
- LINEの公式アカウントに誘導してさらに情報を発信する
- 商品紹介の動画からショッピング機能を利用してストアタブに誘導する
このように、ゴールを設定して導線を作成していきましょう。導線を作成したら、定期的に効果検証を行い、よりコンバージョン率(CVR)が高い導線を充実させていくのがおすすめです。
施策を実施して効果検証しながら改善していく「PDCA」について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
SEO対策をする
YouTube動画は検索エンジンの検索結果に表示されることがあると先述しましたが、検索エンジンは、動画のタイトルや概要欄、タグといったテキストをもとに関連する動画を表示しています。
上位表示するためには、まず狙うキーワードを決定しましょう。
キーワードはビッグワード、ミドルワード、スモールワードを組み合わせた2語以上で狙うのがおすすめです。たとえば、「マーケティング」というビッグワードだけでは、競合が多すぎて上位表示される可能性が低くなります。
そのため、「マーケティング 勉強 スクール」など、ミドルワードやスモールワードを組み合わせてみてください。
タイトルや概要欄、タグを記載するコツは以下を参考にしてみてください。
- タイトル:キーワードを冒頭に記載する
- 概要欄:1行目にキーワードを入れる
- タグ:ビッグキーワードを含めて5個以内にする
定期的に動画を投稿する
動画を定期的に投稿して、より多くの人に動画を見てもらうことで、動画の視聴時間が伸びてYouTube内で上位表示されやすくなります。ただし、YouTube内で優先的に表示する動画を決定するアルゴリズムに、動画の更新頻度はあまり影響しません。
毎日動画を投稿しても、動画の質が低ければ、動画が優先的に表示されなくなるだけでなく、視聴者が減少してしまう可能性があります。
動画の質を保ちつつ、定期的に動画を投稿してターゲットにとって有益なコンテンツを蓄積させていくことが重要です。
YouTube集客にかかる費用
YouTubeはアカウントの開設や利用が無料でできるので、コストをかけずに集客することも可能です。
YouTube用の動画の撮影や編集は誰でもできるとは限らないため、外部企業やクリエイターに制作を委託しているケースも少なくありません。
また、YouTubeで効率的に集客するなら、運用代行を依頼したり、YouTube広告を出稿したりするのも一つの方法です。ここからは、YouTube集客で発生する可能性のある費用について解説します。
外部に依頼するときにかかる費用
外部に依頼するときにかかる費用の相場は、動画の長さや依頼する編集内容の細かさにも左右されますが、おもに次のとおりです。
- コンサルティング:月15〜30万円ほど
- 企画・構成作成:2〜4万円ほど
- 撮影:5〜10本分で10万円ほど
- 動画編集:1本1〜5万円ほど
プロに依頼するのはコストがかかるものの、魅力的なコンテンツを制作することができます。
集客代行サービスを検討している方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
YouTube広告にかかる費用
YouTube広告の種類と特徴、費用相場などは、以下の表を参考にしてみてください。
広告 | 特徴 | 課金方法 | 費用相場 |
スキップできるインストリーム広告 | 5秒視聴したらスキップできる | 30秒以上の視聴広告リンクのクリック | 約2円〜25円/1回 |
スキップできないインストリーム広告 | スキップできない | 1000回以上の表示 | 約400円〜600円 |
インフィード動画広告 | YouTubeの検索結果画面、関連動画リストなどに表示される | 広告リンクのクリック | 約3~20円/1クリック |
バンパー広告 | 動画の再生前後や途中に表示される6秒以内の短い動画広告 | 1000回以上の表示 | 約400円〜600円 |
アウトストリーム広告 | Google動画パートナーとなっているウェブサイトやアプリに表示される(YouTube以外) | 1000回以上の表示 | 約400円〜600円 |
マストヘッド広告 | YouTubeトップページの最上部に表示される巨大広告 | 1000回以上の表示 | 数百万円〜 |
マストヘッド広告以外は、基本的に表示数やユーザーのアクションごとに金額が発生します。課金条件に達することがない限り課金されないほか、予算の上限を設定することもできます。
YouTube集客の成功事例
YouTube集客を成功させている企業は、自社の強みを活かし、ターゲットのニーズにマッチする動画を投稿しています。今回は、YouTubeを活用して集客を成功させている企業や店舗の事例を3つ紹介します。
北欧、暮らしの道具店
北欧雑貨やアパレル販売を行っている「北欧、暮らしの道具店」は、「ルームツアー」や「モーニングルーティーン」、「しあわせな朝食ダイアリー」など、商品が日常生活に溶け込んでいるのがわかるコンテンツをテーマごとにアップしています。
チャンネル登録者数は61万人以上、人気動画は200万回以上再生されており、着実にチャンネルの規模やECサイトの売上を伸ばしています。
不動産投資の楽待 (らくまち)
「不動産投資の楽待(らくまち)」チャンネルは、「不動産」や「投資」というテーマを軸に、幅広いジャンルのコンテンツを投稿しています。
たとえば「事故物件の怪談」や、株、仮想通貨に関する動画など、ユーザーごとのニーズに広く対応する動画をアップ。
チャンネル登録者数は脅威の100万人を突破しています。
株式会社バンダイ
おもちゃメーカーの「株式会社バンダイ」は、子どもが楽しめる動画と商品紹介動画を上手に織り交ぜて投稿。「楽しい!」「買いたい!」という気持ちを盛り上げる工夫が詰まっています。
ターゲットを絞り、ニーズを満たす動画を投稿することで、大人気のチャンネルに成長しました。
まとめ
YouTubeは動画を作成するのは企画、撮影、編集など、クリエイティブな技術が必要になりますが、作成したコンテンツは資産としてチャンネルに残るため、動画を投稿していない期間も集客してくれます。
より効果的に集客するなら、YouTube広告を活用したり、制作代行やコンサルティングを依頼したりするのも一つの方法です。YouTubeを上手に活用し、効果的な集客を実現してみてください。